部門紹介(歯科技工士)

部門紹介

歯科技工士
歯科技工士技工室の紹介

中央診療施設の一部門である「技工士技工室」では歯科技工士が業務しています。

歯科技工士は、技師・顎義歯・冠橋義歯・インプラント・エピテーゼ・床矯正装置・小児歯科用装置・スプリント・外科用シーネなど多岐にわたる技工物全般の製作を行う業務です。

一般的に、患者さんとは直接的に対面することが少なく、歯科医師を支援する立場にあります。

本院の技工士技工室の特徴は、特殊なインプラント技術を始め、金属アレルギー症例への特別な技術対応・閉塞型睡眠時無呼吸症候群症例に対する独特のアプネア装置・顎顔面補綴・外科的な顎偏位防止装置などの専門的な技術サポートを行っています。

略式ですが、以下に特色ある技術の一端を写真と共にご紹介申し上げ、患者さまの歯科治療および歯科技工物(補綴物(ホテツブツ))のご理解の一助となれば幸いです。

 

スタッフの紹介

現在のスタッフ構成は、歯科技工士8名となっており、各々が得意のジャンルを持った技術者集団です。

役 職 氏 名 専門分野
室長 永尾 寛 (病院教授) 口腔顎顔面補綴学、そしゃく科
副室長 大倉 一夫(講師) 歯科補綴、顎関節症、インプラント
副室長 富永 賢(歯科技工士技師長)  

部門長

技師長

富永 賢(歯科技工士技師長) 歯冠修復・有床義歯
JSOIインプラント専門歯科技工士
日本歯科技工学会専門歯科技工士
  大山 正弘(主任歯科技工士) 歯冠修復・有床義歯・インプラント
日本歯科技工学会
鴨居 浩平(歯科技工士) 歯冠修復・有床義歯・インプラント
日本歯科技工学会専門歯科技工士
日本口腔顎顔面技工学会
日本補綴歯科学会
津村 希望(歯科技工士) 歯冠修復・有床義歯・インプラント
日本歯科技工学会
山本 諒平(歯科技工士) 歯冠修復・有床義歯・インプラント
日本歯科技工学会
日本口腔顎顔面技工学会
増田 貴代(歯科技工士) 歯冠修復・有床義歯・インプラント

西口 翔太(歯科技工士)

歯冠修復・有床義歯・インプラント

山田 幸夫(歯科技工士)

歯冠修復・有床義歯・インプラント

 

歯科診療棟にある「技工士技工室」は、現在、8名のスタッフが所属する、コンパクトな作業室です。

技工士技工室
技工士技工室
スタッフ
技工物の紹介

 

全部鋳造冠(金属のかぶせもの)

歯の根の部分が健在で、歯冠部(口腔内で見える上の部分)が虫歯などで傷んだ場合に歯冠部を削って金属をかぶせるものを全部鋳造冠(ぜんぶちゅうぞうかん)と呼びます。

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画像1:場所は右下の大臼歯ですが、歯科医師により歯冠部を形成した(歯を削った)状態です。

画像2:印象採得(口腔内での型どり)を行って、その中に石膏を流し込み、石膏模型に代えた状態です。

 

(ここからが歯科技工士の業務となります)

画像3:技工技術によっても形状に金属冠が出来上がりました。

画像4:歯科医師によって調整され口腔内に歯科用セメントで合着された状態です。

(全部鋳造冠には金属の種類によって保険と自費の選択肢がありますので担当の歯科医師に相談してください。)

 

ジャケット冠(J)・ベニヤ冠(V)・インレー(I)

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画像5:見た目には自然なプラスティックやセラミックで製作したもので(J)は、かぶせの「ジャケット冠」、(V)は表の面のみ薄い板状で覆う「ベニヤ冠」、(I)は詰めもの「インレー」を示します。

画像6:完成後模型に合わせた、ジャケット冠(J)・ベニヤ冠(V)・インレー(I)を示します。

材質等により保険と自費の選択肢があります。詳細は担当歯科医師にご相談してください。また、これらの技工物は「金属アレルギー」の患者さんには最適の技工物となります。

 

ブリッジ(架橋義歯)(橋を架けるのと同じ状態)

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画像7:第一小臼歯(糸切り歯の奥)が何らかの原因で喪失、あるいは抜歯(歯が抜かれた)された状態にある場合、オプションとしては「義歯(入れ歯)を入れる 」、「ブリッジ(橋渡しを架ける)を入れる」、または「インプラント(人工歯根を植える)」などの方法がありますが、ここでは両側の残った歯を削って、かぶせものにてブリッジを入れる方法の紹介です。

画像8:歯を喪失してた歯肉が回復してきました。

画像9:全部鋳造冠と前装冠(表の面を象牙色のプラスティックで覆ったもの)でブリッジを製作した状態です。(保険の適応)

画像10:内側に金属の芯を作製し、その周りにセラミックを焼き付けた自然感があるブリッジです。(自費)

 

ジルコニア応用ブリッジ(新素材)

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画像11:新素材である白い部分は、酸化ジルコニウムと呼ばれる非常に硬い物質です。まず、芯として骨組みとなるフレーム部分の製作を行いますが、アレルゲンとなる金属元素を含まないので、金属アレルギーの患者さん(特殊な症例を除いて)には最適な素材です。

画像12:ジルコニアフレーム周囲にセラミックを焼き付けて審美的な歯冠を回復するブリッジ(橋を架ける)として利用します。(自費)

 

総義歯(総入れ歯)

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画像13:上下共に歯が1歯も残っていない患者さんの口腔内です。(修復は総義歯・インプラント等の選択肢)

画像14:上下顎の総義歯(上下の総入れ歯)の例を示します。(保険・自費の選択肢があります)

 

部分床義歯(部分入れ歯)

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画像15:部分的に歯が欠損している症例です。(修復は部分床義歯(部分入れ歯)とインプラント(人工歯根埋入)などの選択肢があります。保険・自費の選択肢もあります。)

画像16:レジン床義歯(レジン製の部分入れ歯)の例を示します。(保険適応例です)

画像17:金属床義歯(金属製の部分入れ歯)を示します。金属応用により薄くて装着感がよく丈夫な義歯となります。(自費の対象です)

 

アプネア装置(閉塞型睡眠時無呼吸症候群用口腔内装置・上下顎分離型)

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画像18:閉塞型睡眠時無呼吸症候群の患者さんに対する歯科的予防装置の一種です。

画像19:色々な種類の装置がありますが、この装置の特徴は、装着時も口の開閉が自由で装着感が良好です。(保険対象の場合もあります。歯科医師にご相談ください)

 

顎義歯(顎の一部分を修復+入れ歯)

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画像20:顎義歯(癌などの室病で顎の一部分を切除した患者さんの特殊な入れ歯)上顎の奥に疾患があり切除された方(○囲い赤の部分)の口腔内です。

画像21:この顎義歯(入れ歯)は、後ろ側の奥の固まりがある部分にて(○囲い赤の部分)、手術で出来た孔を封鎖して、患者さんの発音や嚥下のお手伝いをします。

 

エピテーゼ(眼球部の修復例)

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疾病により眼球を切除された方のエピテーゼと呼ばれる技工物です。眼鏡と共に用いて社会復帰に寄与します。

 

インプラント(人工歯根)の構造解説

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画像24(内側から)

 

画像23と24はインプラント(人工歯根)の構造解説用の模型です。

左下大臼歯部2歯欠損の模型で外側からと内側からの模型を示します。天然歯の根相当部となる金色(F)の部分が人口歯根部で 外科手術によって下顎の骨の中に埋入されます。その上にアバットメント(A)と呼ばれ、歯の中央の柱に相当するものがねじ止めされます。その上に金属やセラミックの上部構造体である 冠(C)と呼ばれるかぶせものを製作し、ネジや歯科用セメントで固定されます。このクラウン(被せもの)の上部構造体(C)は、技工室にて模型上で作製されます。

 

前歯部インプラントの症例

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この症例は上顎の両側切歯部分にインプラントを埋入された症例です。技工室では自然感のあるセラミックで上部構造体を作製しました。(担当者:藤本技工士)

 

全顎的なインプラントの症例(即時インプラントシステム)

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画像28:即時インプラントの症例:術前の口腔内の状態です。この患者さんは上が総入れ歯で下は右側犬歯の根が残っています。通常、上下は別々の日に手術が行われますが、全顎的にインプラントで修復がなされる症例です。

画像29:上顎のインプラント埋入手術後の状態で、手術直後、印象採得(型取り)されます。

画像30:仮のインプラント上部構造体を手術後48時間以内に装着されます。装着後は社会復帰が可能です。装着直後から軟らかい食物を食べることが出来るのでほぼ通常の生活をしながら手術の治癒待ちを行います。

画像31:6カ月後をメドとして完全に治癒が進めば最終の補綴物(ほてつぶつ)、つまり審美的なセラミックブリッジなどの被せものを作製し装着されます。このように短時間で無歯顎の症例から、あるいは部分的に歯が残っている症例から、全顎的な修復(仮または最終の)がおこなわれる術式は、即時インプラントシステムと呼ばれています。(自費対象)

 

おわりに

ここで取り上げたのは、技工室で作製している代表的な技工物の一部分です。

技工室では、まず歯科医師から印象(型取り)が届き、口腔内とほぼ同じ状態の石膏模型を作製し、その模型の上で各種技工物を製作することが任務です。技工士技工室のモットーは、最新の技術を用いて、高品質で安全・安心な技工物を患者さまに提供することです。

歯科技工士は今後共に技術を切磋琢磨し、より良い技工物の提供に努める所存です。

By iTec

 

更新日:2024年2月26日

 

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